JASRACに公取委が排除命令へ、新規参入を阻害
テレビなどで放送される音楽の使用料をめぐり、社団法人「日本音楽著作権協会」(JASRAC、東京都渋谷区)が同業者の新規参入を阻んでいるとして、公正取引委員会はJASRACに対し、独占禁止法違反(私的独占)で排除措置命令を出す方針を固め、事前通知した。
JASRACはNHKや民放各局との間で、著作権を管理するすべての曲の放送や放送用録音を一括して認める「包括契約」と呼ばれる形態の契約を結んでいるが、大幅な見直しを迫られる。
関係者によると、JASRACの管理する楽曲数が圧倒的に多く、包括契約では一定額を支払えば、その楽曲を好きなだけ使えるため、放送局側にとって別の業者と新たな契約を結ぶことはコスト増につながる。公取委は契約形態が新規参入を阻害していると指摘。JASRACに、こうした状態の解消を命じる方針だ。
排除措置命令では、解消の具体的な方法には触れない方向で調整しているが、公取委では、JASRACの管理する楽曲と他の業者の管理する楽曲が放送で使用された比率を調べ、JASRACが使用料を配分する仕組みを作ることなどを想定しているとみられる。
文化庁によると、「著作権等管理事業法」の施行によって、JASRACの著作権管理事業の独占状態が解消された2001年以降、11社が新規参入したが、放送分野への進出は2社だけ。JASRACが99%以上のシェア(市場占有率)を占めている。包括契約は各放送局の前年度の放送事業収入の1・5%を使用料と定めており、07年度にJASRACが集めた使用料は約265億円に上る。
via YOMIURI ONLINE
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